« HDDスタンド | トップページ | Realforceに再挑戦 »

2010年2月26日 (金)

DFP-KIT1000 (iPlayer Media Player)

Iplayer_1

 iPlayer Media Player、中国語名・多媒体播放器、日本での型番・DFP-KIT1000は、静止画/動画/音楽プレーヤーである。
 Mac miniやAppleTVを模した外観や製品名からは、Apple製品にあやかろうとしたことが伺える。しかし、現物は一回り小さいプラスチック製で、Apple製品のデザインから感じるオーラは微塵もない。

 対応メディアはSDカード/メモリースティック/MMCで、SDHCにも対応。カードスロットの他にUSB端子も付いている。なお、装備されているのはUSB A端子(ホスト側)であり、パソコンと直接接続することはできないと思われる。

 製品の機能はデジタルフォトフレームと重なる部分があるが、モニターは内蔵されておらず、代わりにビデオ出力(コンポジット+ステレオ音声)とVGA出力(ミニD-sub15)の端子が装備されている。ただしVGA出力の解像度は640x480固定である。最先端のデジタルガジェットであるならばHDMI端子を装備してフルHDの表示ができるところだが、これはそういうコンセプトの商品ではない。

 対応データ形式は、静止画はJPEG、動画はMPEG1/2/4とAVI、音楽はMP3とWMAである。基本的に画像はフルスクリーンで表示される。詳しくは後述。
 ファイルをフォルダー分けしてもそのように認識してくれるが、日本語のファイル名は表示してくれない。

 本体にはスイッチ類は一切なく、操作や設定は付属のリモコンで行う。機能はそれほど多くないが、たとえば静止画ならスライドショーの停止、ズームなどができる。
 ファイル選択や設定の画面では日本語の表記にすることも可能。ただしちょっと怪しい。ちなみに取扱説明書は英語。

 実際に使ってみると、いろいろできて面白かったが、問題点もいろいろ見つかった。

Iplayer_3

 まず、この製品を規定するのは、何と言っても解像度が640x480固定であることだろう。
 これにより、特に大型で高解像度のモニターを使うほど、画質に不満が出てくる。それについては、しょせん低価格品(購入価格は3,980円)と割り切るしかない。
 また、この解像度は、画面のアスペクト比が4:3固定であることも意味する。4:3のモニターにつなぐなら問題はないが、そうでないなら、表示される画像のアスペクト比は狂う。 (2010/03/05追記: コメント欄で指摘された設定項目は、動画のみに対して有効で、静止画には関係ない)試したところ、16:9のモニターにつなぐ場合、次項の件の補正も含めると、元画像の横方向を80%に縮めてちょうどよくなった。一から画像を作る場合は、800x480ピクセルで作成しておいてから640x480に縮小するのがいいと思う。
 さらに問題として、たとえVGA出力であっても、画像は640x480いっぱいに拡がらず、少し縮小して表示される(上図参照。黒いエリアに対する白枠が縮小の状態)。ビデオ出力信号との兼ね合いによる仕様だと思われるが、結果、いかなる場合でも画像がドットバイドットで表示されることはない(2010/03/05削除と追記:アナログ接続時代には必須だった「表示位置」「表示サイズ」の調整を行えばきちんと表示される、ただそれだけのことだったらしい。ド忘れしてたよ、テヘッ♡ したがって、上記の「80%」という数字はもう少し変わると思う)
 ズーム機能は、単に原寸表示を拡大/縮小しているだけのようで、画像の解像度は変わらない。したがって、高解像度の画像を読み込ませても意味はない。
 接続の種類による画質の違いだが、MDT221WTFにつないだ限りでは、コンポジットよりVGA接続の方が良かった。ただし、付属のAVケーブルを手持ちのより高品質なケーブルに替えたところ、両者の中間くらいの画質に向上した。

 動画は、Cyber-shot DSC-W120で撮影したMPEGファイルが一応再生できた。一応というのは、高解像度モード(640x480ピクセル、FINE)で撮影した物は、USB接続の場合映像がカクツく問題が発生した。古いメモリカードとアダプターの組み合わせで転送速度が遅くなったせいかと思い、最近買ったUSBメモリ(特に高速品というわけではない)も試してみたが、解消はしなかった。カードスロットを使う場合はもっと速くなるようだが、それでも開始直後にカクツくことがあった。
 なお、このデジカメ自体をUSBで直接接続し、カメラ内のメモリースティックに保存したファイルを読むこともできた。もっとも、デジカメ付属のAVケーブルで直接モニターに接続できるので、この製品に接続する意味はあまりないが。
 AVIファイルは、手持ちの古いDivX形式の物が再生できた。ただし、音声は再生できる物とできない物があった。対応コーデックはよくわからない。

 音楽プレーヤー機能は、音質が悪いだけでなく、たまに音が途切れることがあった。転送速度の速いSDカードを使えば音切れはなくなるかもしれないが、手元にはないので試していない。そもそもモニターが必要なプレーヤーは使い勝手が悪いので、自分としてはプレーヤー機能は要らない。

Iplayer_2

 USB端子には、USBメモリ以外でも、パソコンでディスクドライブとして認識される機器なら何でもいけるようだ。ただ、転送速度の問題があるので、動画や音楽を再生するなら、どんな物でもいいというわけにはいかないだろう。
 一方で、SDカードは本体から中途半端にはみ出すので、うっかり壊してしまう危険がある。
 どちらを使うかは一長一短だが、どうせはみ出すなら、静止画オンリーかつパソコンにカードリーダーが常備されていない場合には、USBメモリで運用した方が便利かもしれない。

 なお、この製品の消費電力はかなり少ないようで、本体もACアダプターもほんのり温かくなる程度である。その意味では、電源を入れっぱなしにしていても、エコロジー的な罪悪感は少なさそうだ。

 まとめると、簡便でかつ多機能ではあるが、解像度など残念な点も多くあり、割り切りながら気楽に使っていくのがよいと思う。

|

« HDDスタンド | トップページ | Realforceに再挑戦 »

コメント

コレを買った者です 再生できないわけがわかりました
ちなみにdivx の他にxvidというコーディックも使えましたよ

>800x480ピクセルで作成しておいてから640x480に
>縮小するのがいいと思う。
セットアップの所に16:9にする項目があります  一応

投稿: ぷん | 2010年2月27日 (土) 18:25

>ぷん さん

> ちなみにdivx の他にxvidというコーディックも使えましたよ

情報ありがとうございます。
xvidですか。かの国の製品らしいですね。

> セットアップの所に16:9にする項目があります  一応

実は今日これを人に預けてしまって手元になく、自分で確認ができないのですが、それって動画だけに有効な設定項目じゃありません?

投稿: sskicr | 2010年2月27日 (土) 19:53

追加報告です
16:9で基本動画を入れているのできづきませんでした すまぬ
★以降は付属の電源ではなく自分で用意した電源を使用します ご注意を

ちなみに試す前にふたを開け眺めました
するとUSBと電源間に1Ωもの抵抗値が示されましたのでコンデンサー追加と配線強化したところHDDの回転する音が・・・

続く

投稿: ぷん | 2010年3月 2日 (火) 11:54

続き
(2,5インチHDD使用)
でもNTFSは使えず
なのでFAT32にてFしてためしたところ、認識し動画を再生できました

USBメモリーで動画を再生した時
0,390A×5V=1,95W
HDD接続で動画再生した時
0.68A流れました
~つぶやき~
xvidとはDivxの商業化に対抗してつくられたものですよ
アレ系なものではな~いです それどころかDivxよりきれいに圧縮できますよ しかもオープンソース
この...アレ買った人でコメント見てくれるのいるかな?
VGAよりコンポジットで見た方がきれいだった 何故だろうな
くだらんつぶやきを見てくれてありがとうございました【゚-゚】

投稿: ふん | 2010年3月 2日 (火) 12:02

>ぷん さん

HDDバスパワード動作時の電源容量のことは考えていませんでした。
1Ω分くらいの電圧降下は問題ないようにも思いますが、電源回路もあまり信頼しない方がいいのでしょうかね。

> USBメモリーで動画を再生した時
> 0,390A×5V=1,95W

これは本体+USBメモリの消費電流・電力ですよね。
とすると、ACアダプターの変換効率を70%と見て、USBメモリ使用時の全体の消費電力は2.79W。
今どきのテレビの待機電力よりは大きいですね。
貴重な情報をありがとうございます。

> でもNTFSは使えず

確かNTFSも対応と書いてあったと記憶しているんですが、だめですか。
アクセス権とか圧縮、暗号化の話は関係ないですよね。

> この...アレ買った人でコメント見てくれるのいるかな?

もともとアクセス数の少ないblogですが、ゼロではないですよ。
もっとも、それが気になるようでしたら、ご自分でblogを立てた方がいいかもしれません。

> VGAよりコンポジットで見た方がきれいだった 何故だろうな

ほとんどのテレビではPC入力(VGA)はビデオ入力(コンポジットなど)よりも色作りが地味なので、そういう意味でのきれいさは劣るかもしれません。
あと、しょせんVGAもアナログなので、回路次第で画質が悪いことはありえます。

> くだらんつぶやきを見てくれてありがとうございました【゚-゚】

いえいえ、こちらこそありがとうございました。いろいろと参考になりました。

投稿: sskicr | 2010年3月 2日 (火) 22:23

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: DFP-KIT1000 (iPlayer Media Player):

« HDDスタンド | トップページ | Realforceに再挑戦 »